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Japanische Klassiker mit Furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(二)

佐々木 味津三

Lesen Sie 右門捕物帖(二) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 221.941 Zeichen · 435 Bildschirme

Aozora Bunko

遠くてよくはわからないが、年のころならまず十七、八歳、面長中肉江戸型の美貌はまことに輝くばかりで、そばに控えた父先生の神宮清臣、ひとひざ下がって介添え役の小童。おりから青空高らかにのぞいた七日の月の光をあびて、金波銀波を水面に散らしながら、静々と下ってまいりましたので、両側土手のわいわい連が、見たとてどうにもなるわけではないのに、ひと目でもひとより近くかいま見ようと、互いに互いを押しのけながら、どっといちじにざわめきたちました。いっしょに川下の若衆屋形が、われこそ三国一の花婿的を射止めようと、これまた等しく色めきたったのはむろんのことです。

と見て、佳人琴女が、恥じらい恥じらい紅筆を取りあげた様子でしたが、やがてさらさらと書き流したは一枚のたんざく――

「おッ。そらそら、流すぞ! 流すぞ!」

つづいてまたさらさらと一枚。

「みろみろッ。若衆船がひしめき合って前に出てきたぞ」

いうまに、すらすらとまた一枚――

あとを追うようにまた一枚――

そして、五枚、七枚、八枚、十枚――

拾ってこれに最も巧みに恋歌を返した者が、式部小町をわが手にすることができるというんですから、三十艘のうえももやっていた若衆船が、われがちにときそいたったのは当然なことです。