Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(二)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(二) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 221.941 Zeichen · 435 Bildschirme
狂ったためしのない慧眼が、今度ばかりは意想外といいたげな面持ちをつづけていましたが、かくと知らばまた右門流でした。
「名のればきりきり舞いをするだろうから、手数をかけずに案内せい!」
一刻も猶予ならぬもののようにおどり上がると、三日まえからたてこもっているという聞き捨てがたき土蔵のかぎをこじあけさせながら、ちゅうちょなく押し入りました。
と同時に、目を射たその妖々たる光景は、なんといういぶかしさでありましたろう! なんたる意外でありましたろう! じつに意想外のうちの意想外な光景でした。土蔵の中に設けられた祭壇の上には、無事でいまいと覚悟された式部小町、綿屋小町、畳屋小町の三人が、いずれも等しく水色の行衣をまとって、人ごこちもないもののごとくおびえつづけていたからです。しかも、その前へ三方にうちのせて、供物のごとくにささげ供えられてあるものは、見るだに慄然とぶきみにとぐろを巻いた一匹の白へびでした。その一歩うしろにさがって綸子白衣の行服に緋のはかまうちはきながら、口に怪しき呪文を唱えていた者は、これぞ妖艶そのもののごとき、尋ねる比丘尼行者でした。さらに一歩うしろにひれ伏して一心不乱にぬかずいていた者は、いわずと知れた葬具屋主人の九郎兵衛です。