Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(二)

佐々木 味津三

Lesen Sie 右門捕物帖(二) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 221.941 Zeichen · 435 Bildschirme

Aozora Bunko

井上のおだんなのところから、お葉さんがお使いにみえましてね――」

「葉というは女中か!」

「へえい、ぽちゃぽちゃっとしたべっぴんなんで、年は若いし、ちっと気にかかっているんですが、そのお葉さんがお使いに来て、奥さまからのおことづてだが、おだんなが夜勤にお出かけなすって、たいくつしているから話しに来いと、こういう口上でございましたんで、夜中近いのに変だなと存じましたが、何はともかくお呼びならばと思いまして、かって知った庭先のほうからお伺いしましたところ、妙なんですよ。いま話しに来いとおことづてくださったそのお内儀のへやがまっくらがりで、おまけにいくらごあいさつを申し上げてもご返事がございませんのでな。さては持病の癪がにわかに起きて、気を失っていらっしゃるなと思いましたんで、手さぐりに上がりながらなにげなくお首のところへ手をやるとぺったり――」

「血がついたんで、無我夢中に逃げ帰ったといわっしゃるか!」

「へえい、そうなんです。だからもう、つえも何もほったらかして――」

「待った! 待った! ちょっと待ったり! でも、少しその話ゃ変だな。りっぱな目あきのあんたが、用もないつえを持っていったとはおかしくないかい」