Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(二)

佐々木 味津三

Lesen Sie 右門捕物帖(二) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 221.941 Zeichen · 435 Bildschirme

Aozora Bunko

おいらにゃ不作の貢じゃねえか。ね! だんな!」

「…………」

「ちぇッ。せめて相手になとなっておくんなさいよ、この雲行きじゃ、辰の野郎め、ご印籠どころじゃござんせんぜ。雪中を大きにご苦労だった。ついでにいま一度屋敷へ回って、腰元どもでも相手にゆるゆるちそうをとっていけ、とでもいうようなことになって、やつめ、やにさがっているにちげえござんせんぜ。豆州さまのお腰元となると、またやけに絶品ぞろいなんだからな。くやしいな」

鳴っているさいちゅう、不審です。どうしたことか、伝六のまげのもとどりの元結いが、ぷつりひとりでにはぜて飛びました。

「よッ。気味がわりい! けさ結ったばかりなのに、なんとしたものでしょうね!」

いうかいわないかのとき、ぶきみともぶきみ、そこの床の間の刀かけにかけてあった名人愛用の一刀が、するりと鞘走りました。元結いの切れるは縁の切れる凶兆、刀の鞘走るは首の飛ぶ不吉な前兆と、古来からの言い伝えです。どうして帰らないのか、辰のおそいのに不審があったやさきでしたから、それまでこたつに長くなって、いいこころもちそうに伝六の鳴り太鼓を聞き流していた名人が、がばとはね起きると、つぶやくようにいいました。