Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(二)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(二) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 221.941 Zeichen · 435 Bildschirme
と――いきなりわきざしを片手にしながら、ばたばたと眠白が逃げ出しましたので、右門は莞爾とうち笑っていましたが、音をあげたのは伝六でした。
「野郎人を食ったまねしやがったな! 待てッ、待てッ」
うなりながら、ここを必死と追いかけていったようでしたが、まもなくおおぎょうに叫ぶ声がありました。
「だんなだんな! 追い詰めましたよ! 追い詰めましたよ! この土蔵の中へ追いつめましたから、早く来て草香流をかしてくださいな」
だが、右門はいたって悠揚としたものでした。にやにやとうち笑みながら、片手をふところにして、のっそりとあとからはいっていったようでしたが、しかし一歩それなる土蔵へはいると同時に、ややぎょっとなりました。もう燃えたれかかったろうそくの鬼気あたりに迫るようなぶきみに薄暗いあかりの下に、右手のない一個の死体が、からだじゅうを高手小手にいましめられながら、やせ細った芋虫のようになって、ころがされてあったからです。そして、その死骸のそばに、不憫というか、笑止というか、それとも憫然のいたりというか、同じく高手小手にくくしあげられて、げっそり落ちくぼんだ目ばかりピカピカ光らせていた者は、だれでもない、あのあばたの敬四郎でした。