Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(四)

佐々木 味津三

Lesen Sie 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.105 Zeichen · 337 Bildschirme

Aozora Bunko

――へえ、御用駕籠です! はずんで二丁だ。かんべんしておくんなせえ。いいこころもちだね。飛ばせ! 飛ばせ」

ひとかど、ふたかど、四かどと曲がらぬうちに、もうその茅場町でした。

3

なるほどある。

古いのれんに、すず文と染めぬいて、間口も三間あまり、なかなかの大屋台です。

しかし、表の飾り天水おけはあってもたががはじけ、のれんには穴があいて、左前が軒下にのぞいているような構えでした。

「うそじゃねえや。屋根がほんとうに傾いていやがる。――おるか。許せよ」

「いらっしゃいまし……あいすみませぬが、ご両替ならこの次にお願いしとうござります…」

「この次を待ってりゃ土台骨がなくなろうと思って、大急ぎにやって来たんだ。おまえが主人か」

「さようでございますが、だんなさまはどちらの」

「どちらの男でもいい。しょぼしょぼしていてよく見えねえや。もっとこちらへ顔をみせろ」

いぶかるようにあげた顔は、もう六十あまり。――目にはやにが浮き、ほおは青やせにやせこけて深いしわがみぞのように走り、三度三度のいただきものも事欠いているのではないかと思われるような、しょぼしょぼとした老人でした。