Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.105 Zeichen · 337 Bildschirme
「申す段ではござらぬ。お尋ねはどんなことじゃ」
「加賀さまの献上雪は、たしか毎年いまごろお取り寄せのように承っておりますが、もうお国もとからお運びでござりまするか」
「運んだ段ではない。知ってのとおり、あれは日中を忌むゆえ、夜道に夜道をつづけて、ちょうどゆうべこの裏門から運び入れたばかりじゃ」
「やっぱりそうでござりましたか。たぶんもうお運びとにらみをつけたのでござりまするが、ようようそれでなぞが一つ解けました。おどろいてはなりませぬぞ。この変死人は、その雪で死にましたぞ」
「なに! 雪!――そうか! 雪で死んだと申されるか。道理でのう。凍え死んだ者はやけどそっくりじゃとか聞いておったが、雪か! 雪であったか……!」
いまさらのように目を丸めました。――献上雪は加賀百万石の名物、同時にまた江戸名物の一つです。将軍家とても夏暑いのにお変わりはない。そのお口をいやすために、加賀大納言が、加、越、能、百万石の威勢にかけて、冬、お国もとで雪を凍らせ、道中金に糸目をつけずにこれを江戸ご本邸に運ばせて、本郷のこのお屋敷内の雪室深くへ夏までたくわえ、土用さなかの黄道吉日を選んで柳営に献上するのが毎年の吉例でした。