Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(四)

佐々木 味津三

Lesen Sie 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.105 Zeichen · 337 Bildschirme

Aozora Bunko

どうだい。おまえ食べないかい」

「いらねえですよ」

「そうかい。遠慮すると腹がへるぜ。おいらが一人まえ、おまえは晩めしもいただいていないから、四人まえはいるだろうと思って親切につくってきてやったんだが、調子がわるいと朝までここにこうしていなきゃならねえかもしれんからな。あとでぴいぴい音をあげたって知らねえぜ」

すましてぱくぱくやっていた名人が、とつぜんそのときさっと腰を浮かしました。

ギーギーと、艫の音が近づいてくるのです。この横堀へはいってくるからには、まさしく土左舟でした。

「来たな! 間が悪けりゃ朝までと思ったが、このぶんじゃとんとん拍子に道が開けるかもしれねえや。さっそく一発おどしてやろうぜ……」

立ちあがったかと思うまもなく、姿はもう外でした――。じつに、ここへ名人のやって来たのは、その土左舟の詮議に来たのです。あの五人の死体が他殺であるのは、すでににらんだとおりでした。殺して運んで、あの枝につるして、みずからくくったかのごとく見せかけたにちがいないことも、またすでににらんだとおりでした。だが、あのとおり、つりさがっていた場所は、幹から運んでいくのはもとよりのこと、尋常ではのぼってもいかれないような枝の先なのです。