Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.105 Zeichen · 337 Bildschirme
ひょいと見ると、このお組屋敷の門前を変な女がちらくら走っていやがるからね、夜ふけじゃあるし、ちくしょうめ臭いなと思ったんで、まっしぐらに飛んできたら、このうちの中へすうと消えたんだ。だんなに知らせたくも知らせるすべはなし、一歩でもここをどいて逃がしちゃたいへんと思ったからね、こうしていっしょうけんめいと張り番していたんですよ。いるんです! いるんです! このとおりまだ戸も締まったきりなんだから、中でもそれと気がつきやがって、きっとどこかにすくんでいるんですよ」
なるほど、ぴしりと戸が締まっているのです。
しかし、その玄関さきも、前庭、内庭も、荒れるがままに荒れ果てて、一面にぼうぼうと枯れ草ばかりでした。
「あき屋敷だな」
「冗、冗、冗談じゃねえですよ。中へ消えるといっしょに、まさしく女と男の話し声が聞こえたからね。たしかに人が住んでいるんですよ」
「はいったきり、だれも出てこなんだか」
「男が出たんです。男がね、若い二十七、八の、いい男でした。話し声がぱったりやんだかと思うと、にやにや笑って若い野郎がひとり出てきたんですが、裏も横もそれっきり戸のあいた音はなし、女はどこからも逃げ出したけはいもねえからね。