Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.105 Zeichen · 337 Bildschirme
お櫃の中の正体も、またその長虫なのでした。
へびを飼う娘!
へびと話をする娘!
意外な秘密を隠していた奇怪なお櫃は、意外ななぞを生んだのです。とみるまに、長虫はあんぐりとねずみをくわえたままで、ぬるぬると千萩の足もとへはいよると、なにかの化身のようにかま首をもたげながら、黒光りしている長いからだをその足へしきりとすりつけていたが、そのままするするとお櫃の中へはいこみました。
伝六はもとよりのこと、さすがの名人も全身あわつぶだって、そこへ立ちすくんだままでした。それにしても、あの床の間へ降った血の出どころが不思議です。櫃に隠れた今のへびが降らせるとも思えないのです。
しかし、そのとき、くぎづけになったように立ちすくんでいるふたりをおどろかして、とつぜん、庫裡の向こうから、ばたばたと人の足音が近づきました。ふたりは、はっとなって須弥壇の横へ身を隠すと、怪しみながら近づいた影を見すかしました。
年は二十三、四。寺の者ではない、町人でもない、侍でもない、なにものかかいもく素姓のわからぬ不思議な若い男なのです。なにをいきどおっているのか、憤怒に目を光らして、荒々しく位牌堂の中へ飛び込んでいくと、やにわに千萩をにらみつけながら、あびせました。