Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.105 Zeichen · 337 Bildschirme
どうだよ。名人かたぎが自慢なら自慢のように、あっさりどろを吐きなよ」
「情けないことをおっしゃいますな……てまえも朱彫りの伊三郎とちっとは人さまの口の端にも乗っている男でござんす。生娘の膚が好きで千人彫りの秘願はかけておっても、盗んでまで彫ろうとは思いませんよ。あっしゃくやしくなりました……だんなも江戸っ子ならば、江戸っ子の職人がどんなきっぷのもんだか、よく胸に手をおいて考えてみておくんなさいまし……」
訴えるようにいった伊三郎の目には、恨めしげな露の光すらも見えました。膚に魅せられたごとく振り向きもしなかったあたり、疑われたことを怨ずるようなその目の光、どこか生一本の名人気質がほの見えて、まんざらその申し立てはうそでもなさそうなのです。
「なるほどのう。つるは見つかったが、根が違うというやつかな。それにしても、朱色の寸分違わねえのがちっと不審だ。ほかにもこんなさえた朱色を浮かす彫り師があるか」
「いいえ、ござんせぬ。これはてまえが自慢のつぶし彫り、口幅ったいことを申すようでござりまするが、まずこの色では日本一とうぬぼれているんでござります。しいてまねができるものといえば、弟子の栄五郎が少しばかりやるくらいのものですよ」