Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.105 Zeichen · 337 Bildschirme
右門捕物帖
1
その第三十八番てがらです。
「ご記録係!」
「はッ。控えましてござります」
「ご陪席衆!」
「ただいま……」
「ご苦労でござる」
「ご苦労でござる」
「みなそろいました」
「のこらず着席いたしました」
「では、川西万兵衛、差し出がましゅうござるが吟味つかまつる。――音蔵殺し下手人やまがらお駒、ここへ引かっしゃい」
「はッ。心得ました。――浅草宗安寺門前、岩吉店やまがら使いお駒、お呼び出しでござるぞ。そうそうこれへ出ませい……」
しいんと呼びたてた声がこだまのようにひびき渡って、満廷、水を打ったようでした。春もここばかりは春でない。――日ざしもまどろむ昼さがり、南町奉行所奥大白州では、今、与力、同心、総立ち合いの大吟味が開かれようとしているのです。
罪は浅草三番組鳶頭の音蔵ごろし、下手人はいま呼びたてた同じ浅草奥山の小屋芸人やまがら使いのお駒でした。――という見込みと嫌疑のもとにお駒をあげたのはもうふた月もまえであるが、調べるにしたがって、下手人としてのその証拠固めがくずれだしてきたのです。どんなに責めても、知らぬ存ぜぬと言い張って自白しないのがその一つ、現場に落ちていた凶器証拠品のドスはまさしくやまがらお駒の持ち品であるが、殺されていた音蔵の傷口は、まるで似もつかぬうしろ袈裟の刀傷でした。