Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.105 Zeichen · 337 Bildschirme
せきたてるようにまた呼んだ表の声をききながら、不審そうに首をかしげて、しきりと鼻をくんくん鳴らしていたが、不意に名人がおどろくべきことをいって立ちあがりました。
「医者の駕籠だな! たしかに、煎薬のにおいだ。どこかで何かが何かになったかもしれねえ。ぱちくりしている暇があったら、十手でもみがいて出かけるしたくでもしろい。うるせえやつだ……」
のぞいてみると、まさしくそのことばのとおり医者の駕籠です。それもよほど繁盛している医者とみえて、りっぱな乗用駕籠でした。
しかし、ちょうちんはない。それがまず不審の種でした。あかりも持たずにいきなり玄関先へ駕籠をすえて、しきりとせきたてているところをみると、急用も急用にちがいないが、それよりも人目にかかることを恐れている秘密の用に相違ないのです。
「人違いではあるまいな」
「ござんせぬ。だんなさまをお迎えに来たんです。どうぞ、お早く願います」
たれをあげて促した駕籠の中をひょいとみると、何か書いた紙片が目につきました。
「くれぐれもご内密に願いあげ候」
という字が見えるのです。
「よし、わかりました。――ついてこい!」