Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.105 Zeichen · 337 Bildschirme
ゆうべおそくにわざわざやって来て、こっそりとあの血がめのふたへうるしを塗っておいたんだ。そのふたにさわったからこそ、そのとおりうるしにかぶれたんでござろう。なに用あって、あの血のかめのふたをおあけなすった」
「…………」
「いいませぬな! 情けも水物、吟味詮議も水物だ。手間を取らせたら、いくらでも啖呵の用意があるんですぜ。ただの用であのかめのふたへさわったんではござんすまい。たびたび二階の床の間へ血が降っているんだ。そのうるしかぶれがなにより生きた証拠、すっぱりと、ネタを割ったらどうでござんす」
「わ、わかりました……なるほどよくわかりました。この証拠を見られては、もう隠しだてもなりますまいゆえ申します……申します……」
名人に責めたてられてはと、覚悟ができたと見えるのです。たえかねるようにそこへ泣きくずおれると、老いたる母親は涙にしゃくりあげ、しゃくりあげ秘密を割りました。
「も、申しわけござりませぬ。人騒がせのあの血をまいたのは、いかにもてまえでござります。それもこれも、みんなこのもらい子の娘ゆえ、千萩ゆえ、いいえ、実の子に跡をつがせたい親心の迷いからでござります。