Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.105 Zeichen · 337 Bildschirme
医者のことでござりますゆえ、稼業がら、血にはおどろかぬほうでござりまするが、それにしても場所が床の間でござりますそのうえに、このとおり、かかっている品が軸物でござりますゆえ、見つけたときはぎょうてんいたしまして、腰をぬかさんばかりにおどろきましたが、何かのまちがいだろう、まちがいでなくばだれかのいたずらだろうぐらいに思いまして、そちらの二本めのと掛け替えておきましたところ、朝になると、また血が降っているのでござります。掛ければまた降る、替えればまた降る、三朝、四朝、五朝とつづきましたゆえ、すっかりおじけだちまして、すぐにもだれかに知らせようと思いましたが、うっかり人に話せば、たちまち八方へうわさがひろがるのは知れきったことでござりますのでな、やれ幽霊屋敷じゃ、やれ血が降るそうじゃとつまらぬ評判でもたちまして、せっかくあれまでにした門前がさびれるようなことになってはと、家人にも知らさずひたがくしにかくしておりましたが、きょうというきょうは、とうとうがまんができなくなったのでござります。いつもは朝降っておるのに、いまさっき日ぐれがたに、なにげなく上がってまいりまして、ひょいとみたら、このとおりなまなまとしたのが降っておりましたゆえ、生きた心持ちもなく、あの駕籠を大急ぎであなたさまのところへ飛ばしたのでござり