Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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よしわらしんわ

吉原新話

泉 鏡花

Lesen Sie 吉原新話 (よしわらしんわ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.157 Zeichen · 75 Bildschirme

Aozora Bunko

前の向島の大連の時で、その経験がありますから、今夜は一番、明晃々とさして、どうせ顕れるものなら真昼間おいでなさい、明白で可い、と皆さんとも申合せていましたっけ。

いや、こうなると、やっぱり暗い方が配合が可うございます、身が入りますぜ、これから。」

と言う、幹事雑貨店主の冴えた声が、キヤキヤと刻込んで、響いて聞えて、声を聞く内だけ、その鼻の隆い、痩せて面長なのが薄ら蒼く、頬のげっそりと影の黒いのが、ぶよぶよとした出処の定かならぬ、他愛の無い明に映って、ちょっとでも句が切れると、はたと顔も見えぬほどになったのである。

八

灯は水道尻のその瓦斯と、もう二ツ――一ツは、この二階から斜違な、京町の向う角の大きな青楼の三階の、真角一ツ目の小座敷の障子を二枚両方へ明放した裡に、青い、が、べっとりした蚊帳を釣って、行燈がある、それで。――夜目には縁も欄干も物色われず、ただその映出した処だけは、たとえば行燈の枠の剥げたのが、朱塗であろう……と思われるほど定かに分る。……そこが仄明いだけ、大空の雲の黒さが、此方に絞った幕の上を、底知れぬ暗夜にする。……が、廓が寂れて、遠く衣紋坂あたりを一つ行く俥の音の、それも次第に近くはならず、途中の電信の柱があると、母衣が凧。