Japanische Klassiker mit Furigana
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よしわらしんわ
吉原新話
泉 鏡花
Lesen Sie 吉原新話 (よしわらしんわ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.157 Zeichen · 75 Bildschirme
第一、三輪坊が、どんなにか、可恐がるだろう、と思ってね。
場所が谷中だと言うんだろう、……私の出会ったのもやっぱりそこさ。――闇がり坂を通った時だよ。」
「はあ、」と言って、梅次は、団扇を下に、胸をすっと手を支いた。が、黒繻子の引掛け結びの帯のさがりを斜に辷る、指の白さも、団扇の色の水浅葱も、酒気の無い、寂しい茶の間に涼し過ぎた。
民弥は寛ぎもしないで、端然としながら、
「昨日は、お葬式が後れてね、すっかり焼香の済んだのが、六時ちっと廻った時分。後で挨拶をしたり、……茶屋へ引揚げて施主たちに分れると、もう七時じゃないか。
会は夜あかしなんだけれど、ゆっくり話そうって、幹事からの通知は七時遅からず。私にも何かの都合で、一足早く。承知した、と約束がしてある。……
久しぶりのお天気だし、涼いし、紋着で散歩もおかしなものだけれども、ちょうど可い。廓まで歩行いて、と家を出る時には思ったんだが、時間が遅れたから、茶屋の角で直ぐに腕車をそう言ってね。
乗ってさ。出る、ともう、そこらで梟の声がする。寂寥とした森の下を、墓所に附いて、薄暮合いに蹴込が真赤で、晃々輪が高く廻った、と思うと、早や坂だ。