Japanische Klassiker mit Furigana
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よしわらしんわ
吉原新話
泉 鏡花
Lesen Sie 吉原新話 (よしわらしんわ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.157 Zeichen · 75 Bildschirme
もうそう信じていた。
でも、何だか、肝が起って、じりじりしてね、おかしく自分でも自棄になって、
(貸してやろう、乗っといで。)
(柔順なものじゃ、や、よう肯かしゃれたの……おおおお。)と云って臀を動かす。
変なものをね、その腰へ当てた手にぶら下げているじゃないか。――烏の死骸だ。
(何にする、そんなもの。)
(禁厭にする大事なものいの、これが荷物じゃ、火の車に乗せますが、やあ、殿。)
(堪らない! 臭くって、)
と手巾へ唾を吐いて、
(車賃は払っておくよ。)
で、フイと分れたが、さあ、踏切を越すと、今の車はどこへ行ったか、そこに待っている筈のが、まるで分らない。似たやつどころか、また近所に、一台も腕車が無かった。……
変じゃないか。」
十六
しばらくして、
「お三輪が話した、照吉が、京都の大学へ行ってる弟の願懸けに行って、堂の前で気落した、……どこだか知らないが、谷中の辺で、杉の樹の高い処から鳥が落ちて死んだ、というのを聞いた時、……何の鳥とも、照吉は、それまでは見なかったんだそうだけれども、私は何だよ……
思わず、心が、先刻の暗がり坂の中途へ行って、そのおかしな婆々が、荒縄でぶら提げていた、腐った烏の事を思ったんだ。