Japanische Klassiker mit Furigana
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よしわらしんわ
吉原新話
泉 鏡花
Lesen Sie 吉原新話 (よしわらしんわ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.157 Zeichen · 75 Bildschirme
誰もそれを咎めはせまい。咎めたとて聞えまい、私も言わぬ、私もそれを酷いと言わぬぞ。知らぬからじゃ、不便もいとしいも知らねばこそいの。――何と、殿、酷い事を知らぬものは、何と殿、殿たちにも結構に、重宝にあろうが、やいの、のう、殿。)
(何とでも言え、対手にもならん。それでも何か、そういうものは人間か。)
と吐出すように子爵が言った。」
二十五
「ト其奴が薄笑いをしたようで、
(何じゃ、や、人間らしく無いと言うか。誰が人間になろうと云うた。殿たち、人間がさほど豪いか、へ、へ、へ、)
とさげすんで、
(この世のなかはの、人間ばかりのもので無い。私等が国はの、――殿、殿たちが、目の及ばぬ処、耳に聞えぬ処、心の通わぬ処、――広大な国じゃぞの。
殿たちの空を飛ぶ鳥は、私等が足の下を這廻る、水底の魚が天翔ける。……烏帽子を被った鼠、素袍を着た猿、帳面つける狐も居る、竈を炊く犬も居る、鼬が米舂く、蚯蚓が歌う、蛇が踊る、……や、面白い世界じゃというて、殿たちがものとは較べられぬ。
何――不自由とは思わねども、ただのう、殿たち、人間が無いに因って、時々来ては攫えて行く……老若男女の区別は無い。