Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

どうほう

同胞

豊島 与志雄

Lesen Sie 同胞 (どうほう) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.713 Zeichen · 32 Bildschirme

Aozora Bunko

恒夫は四歳の時父に死なれて、祖父母と母とだけの家庭に、独り子として大事に育てられてきた。そして、祖父から甘い砂糖菓子を分けて貰い、祖母から古い御伽話や怪談を聞き、母の乳首を指先でひねくることの出来るうちは、別に何とも思わなかったが、小学校から中学校へ進んで、それらのことがいつしか止み、顔に一つ二つ面皰が出来、独り勝手な空想に耽る頃になると、兄弟も姉妹もないことが、甘い淋しさで考えられた。

兄弟も姉妹もなくて自分一人きりだということは、自由なのびのびとしたことだったが、一方にはまた、張合のない頼り無いことでもあった。そして余りに広々とした満ち足りない心で、月や雪や花などをぼんやり見入っていると、独り子だという事実の奥に――事実の手の届かない仄暗い彼方に、自分と同じ血を分けた或る者の姿が、ぼーっと立現われてきた。或る時は、自分を力強く導いてくれる兄だった。或る時は、自分に戯れかかる弟だった。或る時は自分をやさしく慰めてくれる姉だった。また或る時は、自分を心から尊敬し信頼してる妹だった。そしていつも美しかった……というだけで、どうしても顔がはっきり見えなかった。