Japanische Klassiker mit Furigana
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ななしゆびものがたり
名なし指物語
Lesen Sie 名なし指物語 (ななしゆびものがたり) von Niimi Nankichi (新美 南吉) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N4. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N4 · Einstieg · moderne Kanji und Kana · 10.312 Zeichen · 21 Bildschirme
」
木ぐつ屋になりたいけれど、指を落とすのはおそろしいと考えていた、ひとりの子どもが、ある日、こういってたずねました。すると、マタンじいさんは、
「どうして?」
と、ききかえしました。
「おじいさんの名なし指、ノミで切っちゃったんでしょう。」
「うん、これかい。」
と、マタンじいさんは、左手をひろげて見せながらいいました。
「こいつは、ノミで落としたんじゃないよ。」
それを聞いた子どもたちは、今まで、そうだと思いこんでいたことが、まちがっていたとわかって、ふしぎな気持ちにとらわれましたが、それといっしょに、新しい好奇心がわいてきました。
「じゃ、どうしてなくしたの。」
と、さっきの子が熱心にききました。
「ふん。」
マタンじいさんは、口のあたりに、かすかなわらいをうかべながら、名なし指のない大きな手を、二度三度ひろげたり、げんこつにしたりしました。それから子どもたちのほうへ顔をむけて、
「おまえたち、手を出してごらんよ。」
と、いいました。
子どもたちは、すこし不気味になって、だれも出そうとするものがありませんでした。
「なんだい。どうもしやしない。」
そういわれて、さっきの熱心な子どもが、そっとかた手をさし出しました。