Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじんじごく
名人地獄
国枝 史郎
Lesen Sie 名人地獄 (めいじんじごく) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.286 Zeichen · 301 Bildschirme
「いや、それにしてはもがいた跡がない。人一人縊れて死のうというのに、もがかぬという訳はない」「切られもせず縊られもせず、しかも姿が見えないとは、天へ昇ったか地へ潜ったか、不思議な事があればあるものだ」「駕籠へ乗って水神の方へ急いでひき上げて行ったのでござるよ」郡上平八は自信を持っていった。
「それには証拠がござるかな?」
「さよう、やはり足跡だが、まずこっちへ」といいながら、川に向かった土手の腹を、川の岸まで下りて行ったが、低く提灯を差し出すと、それで雪の上を照らしたものである。二つずつ四つの足跡が、規則正しい間隔を保って、川下の方へついていた。いうまでもなく駕籠舁きの足で、彼らは駕籠を担ぎながら、堤の下を川に添い、水神の方へ行ったものと見える。一閑斎と平八とは、川下の方へ足跡を追って、十間余りも行って見た。すると足跡が見えなくなった。しかしそれは消えたのではなく、土手の腹を堤の上へ、同じ足跡がついていた。駕籠を担いだ駕籠舁きが、そこから堤へ上ったものであろう。そこで二人も堤へ上った。はたして同じ足跡が、堤の上を規則正しく水神の方へついていた。
「おや!」