Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
めいじんじごく
名人地獄
国枝 史郎
Lesen Sie 名人地獄 (めいじんじごく) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.286 Zeichen · 301 Bildschirme
小梅の里へ寮住居、歌俳諧や茶の湯してと、端唄の文句をそのままののんきなくらしにはいってしまった。そこは器用な彼のことで、碁を習えば碁に達し俳句を学べば俳句に達し、相当のところまで行くことが出来、時間を潰すには苦労しなかった。もっともそういう人間に限って、蘊奥を極めるというようなことは、ほとんど出来難いものであるが、そういう事を苦にするような、芸術的人間でもなかったので、結句その方が勝手であり、まずい皮肉をいう以外には、社交上これという欠点もなく、座談はじょうず金はあり、案外親切でもあったので、武士時代の同僚はじめ、風雅の友から書画骨董商等、根気よく彼のもとへ出入りした。
しかるにこれも常連の、郡上平八だけはあの夜以来、ピッタリ姿を見せなくなった。それを不思議がって人がきくと、一閑斎は下手な皮肉で、こんな塩梅に答えるのであった。「なにさ、あの仁は無任所与力でな、隠居はしてもお忙しい。それに目下は音響学で、どうやら一苦労なすっているらしい。油を売りになど見えられるものか」「何んでござるな、音響学とは?」相手がもしもこうきこうものなら、一閑斎は大得意で、さらに皮肉を飛ばせるのであった。