Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじんじごく
名人地獄
国枝 史郎
Lesen Sie 名人地獄 (めいじんじごく) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.286 Zeichen · 301 Bildschirme
しかるに平八は思うところあって棟梁風にやつしてはいたが、ついうっかりとその点へまで、心を配ることをうち忘れ、武士を見る時にも与力風に、まず足から見たものであった。
「それにしてもこの侍、いったいどういう人物であろう?」改めて平八はつくづくと、武士を見守ったものである。
その混乱した平八の様子が、武士にはひどく面白いと見え、奥歯をかむようにして笑ったが、
「どうだ、これでも船大工かな」
「へい、大工でございますとも、だってそうじゃございませんか、旦那に嘘を申し上げたところで、百も儲かりゃあしませんからね」いわゆるヤケクソというやつで、こう平八はつっぱねた。
たたみ込んだ船問答
「おお、そうか、これは面白い、ではお前へ訊くことがある。どうだ、返辞が出来るかな」
「へい、わっちの知っていることなら、なんでもお答えいたしますよ」「知ってることとも、知ってることだよ、お前がほんとに船大工なら、いやでも知らなければならないことだ」
こういうと武士は懐中から、一葉の紙を取り出した。見れば絵図が描かれてあった。船体横断の図面であった。
「さあ、これだ、よく見るがいい」