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Japanische Klassiker mit Furigana

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めいじんじごく

名人地獄

国枝 史郎

Lesen Sie 名人地獄 (めいじんじごく) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.286 Zeichen · 301 Bildschirme

Aozora Bunko

それに度胆を抜かれていた。で、眼ばかりパチクリさせた。

「解らないかな」と冷やかに笑い、フイと武士は立ち上がったが、「お前の目的とおれの目的と、どうやら同じように思われる。……それはとにかくこの船はな、二千石船だよ! ご禁制の船だ!」いいすてると武士は大跨に歩き、胴の間の方へ下りていった。

後を見送った平八が、心の中で、「あっ」と叫んだのは、まさに当然というべきであろう。彼はウーンと唸り出してしまった。「武術が出来て手相が出来、そうしてご禁制の大船の図面を、二葉までも持っている。……みなりは随分粗末ながら、高朗としたその風采、一体全体何者だろう?」

しかし間もなく武士の素性は、意外な出来事から露見された。

それは上総の御宿の沖まで、船が進んで来た時であったが、忽ち海賊におそわれた。その時はもう夕ぐれで、浪も高く風も強く、そうしてあたりは薄暗かったが、忽然一せきの帆船が行く手の海上へあらわれた。べつに変ったところもない、普通の親船にすぎなかったが、しずかにしずかに八幡丸を、あっぱくするように近寄ってきた。ちょうどこの時平八は、船のへさきに胡坐をかき、海の景色をながめていたが、その鋭い探偵眼で、賊船であることを見てとった。