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Japanische Klassiker mit Furigana

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めいじんじごく

名人地獄

国枝 史郎

Lesen Sie 名人地獄 (めいじんじごく) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.286 Zeichen · 301 Bildschirme

Aozora Bunko

で、今度の海賊沙汰についても、彼の噂はのぼらなかった。したがって平八の心頭へも、清蔵の名は浮かんで来なかった。しかるにいよいよぶつかってみれば、その海賊は森田屋なのであった。

「俺はまたもや目違いをした」

思うにつけても平八は、憮然たらざるを得なかった。

この時船縁を飛び越えて、森田屋清蔵がやって来た。と見て取った平八は、つと前へ進み出たが、

「おお森田屋、久しぶりだな!」

「え?」といって眼を見張ったが、

「やあ、あなたは郡上の旦那!」

「ナニ、郡上?」といいながら、ツカツカやって来たのは武士であったが、

「うむ、それでは世に名高い、玻璃窓の郡上平八老かな」

「そうして、あなたは秋山殿で」「いかにも拙者は秋山要介、名探索とは思っていたが、郡上老とは知らなかった」「奇遇でござるな。奇遇でござる」二人はすっかりうちとけた。

「ヤイヤイ野郎どもトンデモない奴だ! 秋山先生と郡上の旦那へ、手向かいするとは不量見、あやまれあやまれ、大馬鹿野郎!」森田屋清蔵は手下の者どもを、睨み廻しながら怒鳴りつけた。

「ワーッ、こいつあやりきれねえ。強いと思ったが強い筈だ。だが、お頭は水臭いや。