Japanische Klassiker mit Furigana
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めいくんただゆき
名君忠之
夢野 久作
Lesen Sie 名君忠之 (めいくんただゆき) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.683 Zeichen · 32 Bildschirme
だ。馬術の門弟もちりぢりになって散々の体裁じゃ。のみならず出会う人毎に、薩州は大藩じゃ。違うたもんじゃ違うたもんじゃとギヤマン茶碗や、延寿の刀や、姉妹の妾を見せびらかして吹聴致しているので皆、顔を背向けている。あのような奴は藩の恥辱じゃから討って棄てようか……なぞと、部屋住みの若い者の中にはイキリ立つ者も在るげで御座るが、何にせいかの与九郎はモウ白髪頭ではあるが、一刀流の自信の者じゃで、皆二の足を踏んでいる……というモッパラの評判で御座るてや」
「フーム。よう御存じじゃのう。塙代がソレ程のタワケ者とは知らなんだ。遊女を妾にしている事や、家中の若い者の腹構えがそれ程とは夢にも……」
「アハハハ。左様な立入った詮議は大目付殿のお耳には却て這入らぬものじゃでのう。……して今日のお召はその事で……」
「まったくその事で御座る。番座限のお話で御座るが……」
「心得ました。八幡口外は仕らぬ」
「忝のう御座る。おおかたお側の女どもの噂からお耳に入ったことと思うが、殿の仰せには、薩藩から余に一言の会釈もせいで、黒田藩士に直々の恩賞沙汰は、この忠之を眼中に置かぬ島津の無礼じゃ。