Japanische Klassiker mit Furigana
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『わがはいはねこである』じょうへん
吾輩は猫である
Lesen Sie 吾輩は猫である (『わがはいはねこである』じょうへん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.123 Zeichen · 643 Bildschirme
「それでどうしました」
「貰わないで偸んだ」
「おやおや」
「奴さん手拭をぶらさげて湯に出掛けたから、呑むならここだと思って一心不乱立てつづけに呑んで、ああ愉快だと思う間もなく、障子がからりとあいたから、おやと振り返ると煙草の持ち主さ」
「湯には這入らなかったのですか」
「這入ろうと思ったら巾着を忘れたのに気がついて、廊下から引き返したんだ。人が巾着でもとりゃしまいし第一それからが失敬さ」
「何とも云えませんね。煙草の御手際じゃ」
「ハハハハじじいもなかなか眼識があるよ。巾着はとにかくだが、じいさんが障子をあけると二日間の溜め呑みをやった煙草の煙りがむっとするほど室のなかに籠ってるじゃないか、悪事千里とはよく云ったものだね。たちまち露見してしまった」
「じいさん何とかいいましたか」
「さすが年の功だね、何にも言わずに巻煙草を五六十本半紙にくるんで、失礼ですが、こんな粗葉でよろしければどうぞお呑み下さいましと云って、また湯壺へ下りて行ったよ」
「そんなのが江戸趣味と云うのでしょうか」
「江戸趣味だか、呉服屋趣味だか知らないが、それから僕は爺さんと大に肝胆相照らして、二週間の間面白く逗留して帰って来たよ」