Japanische Klassiker mit Furigana
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わしゅうちめいだん
和州地名談
柳田 国男
Lesen Sie 和州地名談 (わしゅうちめいだん) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.320 Zeichen · 14 Bildschirme
土器の一種にサラキのあることはすでに忘れ、蛇穴をサラギというようになった時代でないと、ただ単独にこんな文字を用いても、通用するはずはないと私は思う。蛇穴は何かということが今はやや問題になっているようだが、これはまだ推測する道がある。誤字としてしまえば簡単に片付きはするものの、それはなお少しく捜してみて、絶対に蛇穴をサラギなどといったことがないと、確かめてからでないと順序が悪い。関東地方で蛇がトグロを巻くというのを、北陸や佐渡の島では皿になるといっている。サラもサラキも多分は一つの語であろうから、まだ一隅にはそういう語が残っているのである。私などの在所では蛇コシキ、あるいは蛇がコシキ(甑)をかくというが、現在は近畿地方もそういっていることと思う。甑も皿もまたトグロ・ツグラも皆同じで、今では土器の製法はすでに変り、ただ藁製のツグラだけにしか残っていないが、以前は埴土の紐をぐるぐると輪に重ねて行って、すべての円い器物を造っていた。それがいつの頃まで続いたかは考古学が答えてくれるだろう。とにかくに蛇のトグロをサラギといい始めた時代までは、まだそういう製法があったので、もっと細かいことを言えばそれから後、両者の共通を忘れて蛇の方だけを知っているようになってから、いと無造作に蛇穴の字をサラギに宛てたものと見られる。