Japanische Klassiker mit Furigana
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わし
和紙
東野辺 薫
Lesen Sie 和紙 (わし) von 東野辺 薫 (とうのべかおる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 35.557 Zeichen · 70 Bildschirme
たっぷりと水に浸けたまま二人の鎌尖が器用に裁く楮の束から、かすかな白さでにじみ出る灰汁は、青い澱みの中にそこはかとなく消えて行った。
「ユミちゃん、あんた、惣兄ちゃのあれってどんなひとだと思う?」
しばらく黙り合ってから、よしがまたぽつんとそれを言い出した。余程気になっているのだろう。わざわざユミの家に駈け込んで来て、ものも言わずユミを納屋のわきへ引っぱって行ったと思うと、大変なことがあんのよユミちゃん、おらの家の惣兄ちゃの嫁さまがくるんだってと、息を弾ませて話した時から、どんな女だと思うと訊くのであった。
「お母さったらない、とってもそわそわしてんのよ。何でもな、嫂さ、嫂さって優しくしろやだって。なんぼおらだって、それぐらいのこと言われなくたってわかってるわ。」
その次に会った時は、こんなことを言いながら、不平とも嫉妬ともつかない眼で頬をふくらました。
よっちゃんの兄さんと好き合う女だもの、いい女にきまってるわと、そう答えるほかはない。よしからはじめてきかされた時は、それがもう腹に子供が出来ているというので、惣吉をも女をもあさましく厭わしいものに思ったが、だんだん考えているうちに、その女に妙な羨しさを感じてきた。