Japanische Klassiker mit Furigana
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さいてゆくはな
咲いてゆく花
素木 しづ
Lesen Sie 咲いてゆく花 (さいてゆくはな) von 素木 しづ (しらきしづ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.478 Zeichen · 17 Bildschirme
』と、姉が常のように晴れやかな声で、出て行くのが聞えた。少女は、姉が金仙花と、赤い夏菊とをそろえて、花の方を地にさげて持ちながら、出てゆくのを想像した。そして紫のパラソルが道向うの生垣の角を曲るのをも、目の中に考えて見ることが出来た。
少女はすぐに、強い兄の足音が響いて来て『お縫ちゃんは、どこに行ったんだろう。』と云ってるのが聞えた。彼女は、兄がいまにも襖を開けて自分を見るであろうと思った時、兄のなつかしさと同時に、恐ろしい羞恥がまた彼女を苦しめた。そしていつものように、柔道を教えるといって引出したり、それからピンポンをしよう等と云い出したら、どうしようと思ったが、それよりも自分のこの恥しいいまわしいことを知られたらと思って、少女はたまらなそうに身をすくめた。
『どうしたんだいお縫ちゃんは、今日は馬鹿におとなしいね。』
兄はやはり襖を開けた。そして少女をのぞき込んだ。少女はあわてゝ机の側にしっかりと身をよせた。そして彼女は漸く兄を振りかえった。その目は、なにか弱いものゝ哀願的な光りをおびて涙ぐんでいた。そして少女は物をいう事が出来なかった。
『身体が悪いの。