Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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よいことをしたよろこび

善いことをした喜び

小川 未明

Lesen Sie 善いことをした喜び (よいことをしたよろこび) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.586 Zeichen · 6 Bildschirme

Aozora Bunko

おばあさんは、日ごろからたくさんなお金をためているといううわさがたっていました。けれど、おばあさんは、なかなかのけちんぼうで、めったにそのお金を出すということをしませんでした。

おばあさんは、このごろ、ひまさえあればお金のことを考えていました。自分が死んでしまったら、この金をどうしようかと思いました。これまでいっしょうけんめいでためた金を、他人にやってしまうのは、まことに惜しいことだと思いました。せがれにも、嫁にも、この金はやれない、みんな自分が死んでゆくときには、持ってゆかなければならぬと思いました。

「いったい、いくらあるだろう。今日は、せがれも嫁も留守だから、ひとつ勘定してみよう。」と、おばあさんは、だれもいないのを幸いに、懐から大きな財布を出して、口を開いて、楽しみながら算えはじめたのであります。

「なかなかたくさんある。これをせがれめに見つけられたら大事だ。しかし、せがれも嫁も、まだ帰ってくるはずがないから安心だ。」と、おばあさんは独り言をしながら、しわの寄ったてのひらに銭を並べて、細い指先で勘定しては、前垂れの中に移していました。そして、すっかり勘定してしまったら、それを財布の中にしまうつもりでおりました。