Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ぜんぞうをおもう

善蔵を思う

太宰 治

Lesen Sie 善蔵を思う (ぜんぞうをおもう) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.041 Zeichen · 29 Bildschirme

Aozora Bunko

――はっきり言ってごらん。ごまかさずに言ってごらん。冗談も、にやにや笑いも、止し給え。嘘でないものを、一度でいいから、言ってごらん。

――君の言うとおりにすると、私は、もういちど牢屋へ、はいって来なければならない。もういちど入水をやり直さなければならない。もういちど狂人にならなければならない。君は、その時になっても、逃げないか。私は、嘘ばかりついている。けれども、一度だって君を欺いたことが無い。私の嘘は、いつでも君に易々と見破られたではないか。ほんものの兇悪の嘘つきは、かえって君の尊敬している人の中に在るのかも知れぬ。あの人は、いやだ。あんな人にはなりたくないと反撥のあまり、私はとうとう、本当の事をさえ、嘘みたいに語るようになってしまった。ささ濁り。けれども、君を欺かない。底まで澄んでいなくても、私はきょうも、嘘みたいな、まことの話を君に語ろう。

暁雲は、あれは夕焼から生れた子だと。夕陽なくして、暁雲は生れない。夕焼は、いつも思う。「わたくしは、疲れてしまいました。わたくしを、そんなに見つめては、いけません。わたくしを愛しては、いけません。わたくしは、やがて死ぬる身体です。