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Japanische Klassiker mit Furigana

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きつえんへき

喫煙癖

佐左木 俊郎

Lesen Sie 喫煙癖 (きつえんへき) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.988 Zeichen · 5 Bildschirme

Aozora Bunko

とにかく、夜中だろうが、昼間だろうが、眼を開いている間はこうして煙草を口にしている始末なんで。何しろ、私あ、十五六の時から燻かして来たんですから。」

「ではもう、三四十年も呑み続けていらっしゃるわけですね。」

「それさね、早三十五六年にもなりますかなあ?」

爺さんはそう言って、遠い記憶を思い出そうとするように、軽く眼を閉じた。

「何方までおいでになりますかよ?」

婆さんは、話し相手の出来たのをよろこんでいるように、突然そんなことを訊いた。

「私かね? 私あ、月寒までです。前から知っている牧場で、汽罐を一つ据え付けたもんですて、そこのまあ火夫というようなわけで……」

「これから寒くなりますから、それは、結構な仕事でございますよ。」

「あまりどっとしないんですがね、何しろこれ。私あ、こうして無暗に煙草を燻かすもんですから、煙草銭だけでも自分で働かないと……」

「汽罐の方は手慣れておいでなのですかよ?」

「汽罐の方はそりゃ、私あ、十五六の時から、鉄道の方の、機関庫にいまして、最近までずうっと機関手をやって来ていますから。そりゃ慣れたもんでさあ。何しろ、私が鉄道に這入ったのは、札幌の停車場に、初めて売店というものが出来たころですからなあ。