Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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よんじゅうはちにんめ

四十八人目

森田 草平

Lesen Sie 四十八人目 (よんじゅうはちにんめ) von 森田 草平 (もりたそうへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 56.183 Zeichen · 112 Bildschirme

Aozora Bunko

十三

明くる日は雪晴れのうらうらした日和であった。その日一日じゅう、小平太はどこをどう歩いていたのか、人も知らず、おそらく自分でも分らなかったに相違ない。とにかく、江戸の市中を、喰うものも喰わず、喪家の狗のように、雪溶けの泥濘を蹴たててうろつき廻っていた。そして、その暮方に、憔悴しきった顔をして、ぼんやり両国の橋の袂へ出てきた。

見ると、橋の袂の広場に人簇りがしている。怪しげな瓦版売りが真中に立って、何やら大声に呶鳴っているのだ。――

「さあさあ、これは開闢以来の大仇討、昨夜本所松坂町吉良上野介様の邸へ討入った浅野浪士の一党四十七人、主の仇の首級を揚げて、今朝高輪の泉岳寺へ引上げたばかり、大評判の大仇討! 忠義の侍四十七人の名前から年齢まで、すっかり分って、ただの三文! ええ、大評判の大仇討、もうこれだけしかない、売れきれぬうちにお早く、お早く!」

「吉良……浅野浪士!……」という声が耳に入った時、小平太は思わず足を留めた。そして、群集の頭越しに、喚売の男の顔をじっと穴の開くほど見詰めていたが、何と思ったか人込みを分けて、つかつかと前へ進み出で、