Japanische Klassiker mit Furigana
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よんじゅうはちにんめ
四十八人目
森田 草平
Lesen Sie 四十八人目 (よんじゅうはちにんめ) von 森田 草平 (もりたそうへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 56.183 Zeichen · 112 Bildschirme
小平太は苦しそうに、ただ「いいや」とばかり頭振りを棹ってみせた。
「へえ? 日延べにはならぬ。では、もう討入はすみましたかえ」と、おしおは思わず膝を乗りだしてたずねた。
小平太はまた苦しげにうなずいてみせた。
「討入はすんだ! それに今ごろここへお出でになったのは?」と、おしおはいよいよ合点が行かなそうに、男を見返した。
「おしお、もう何にも言ってくれるな」と、小平太は相手の顔を見ぬように、目眩しそうに眼を反しながら言った。「わしは、わしは討入の数に漏れたのだ!」
「ええッ!」と、おしおは思わず身をのけ反したが、また気を取りなおしたように、男の前へ詰め寄りながら、「討入の数に漏れた……とおっしゃるからには、やっぱりまだわたしに未練が残って……?」
小平太はやっぱり押黙ったまま俯向いていた。
おしおは男の膝に取りついて、「わたしいわれに、大切の場合にあなたに後れを取らしたとあっては……わたしは生きている瀬がない……あの時も早う死のうと思ったに、あなたのお言葉に絆されて、生き残ったがわしゃ口惜しい! どうしよう、わしゃどうしよう?」と、おろおろ泣きだしてしまった。