Japanische Klassiker mit Furigana
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よんじゅうはちにんめ
四十八人目
森田 草平
Lesen Sie 四十八人目 (よんじゅうはちにんめ) von 森田 草平 (もりたそうへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 56.183 Zeichen · 112 Bildschirme
と、皮肉らしく小声でささやいた。「その代りに、うまく行ったら当夜の一番槍にも優る功名だぞ」
「うむ!」とうなずいたまま、小平太は黙って表へ飛びだした。
五
小平太が進んでこの危い役割を引請けたのは、一つは心のうちを見透されまいとする虚勢からでもあったが、一つにはまた、ここで一番自分の働きぶりを見せて、中田理平次なぞとはまるで違った人間だということを同志の前にはっきり証拠立てておきたかったからでもあった。いや、同志の前というよりは、第一自分の前に証拠立てたかった。だって、小平太の心を疑っているものは、何人よりもまず彼自身であったから! そこで彼は与えられた機会を、よく考えてもみないで、しゃにむに掴んでしまった。が、一党に対する責任を思えば、安兵衛から注意されるまでもなく、この任務はあまりにも重かった。もし怪しい奴と睨まれて、町奉行の手にでも引渡されたら……そして、どうしても密事を吐かねばならぬような嵌目に陥ったら……
「そんなことにでもなれば、俺一人ではない、一党の破滅だ!」と、考えただけでも足の竦むような気がして、彼は思わず街の上に突立ってしまった。