Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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よんじゅうはちにんめ

四十八人目

森田 草平

Lesen Sie 四十八人目 (よんじゅうはちにんめ) von 森田 草平 (もりたそうへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 56.183 Zeichen · 112 Bildschirme

Aozora Bunko

と、ぴょこぴょこ頭を下げながら、急いでその家のくぐり戸に手を懸けた。

二人の侍も小平太が門をはいるまでじっと後を見送っていたが、仲間体ではあるし、状箱は持っている、別に胡乱とも思わなかったか、そのまま踵を返して行ってしまった。

小平太はくぐり戸を閉めて、始めてほっと胸を撫で下ろした。一歩違いで無事にすんだけれども、考えてみれば、実際危かった。剣呑剣呑! と思いながら、気を取りなおして、すぐ前の玄関にかかった。そして、

「お頼もうします、お頼もうします」と、二度ばかり声を懸けた。

「どうれ!」とどすがかった声がして、すぐ隣の玄関脇の部屋から、小倉の袴を穿いた爺さんが出てきた。

小平太はいきなり二つ三つ頭を下げて、

「私はお茶道珍斎からこの文箱を持ってまいりました。どうかお取次ぎを願います」と、手に持った状箱を差出した。

取次の爺さんは黙ってそれを受取って、朱塗りの蓋の上に書いた宛名の文字をつくづく眺めていたが、「ちょっと待て」と言い捨てたまま、奥へはいった。が、間もなく引返してきて、「すぐ御返事があるそうだから、しばらく待っておれ」と伝えた。そして、自分はすぐに元の部屋へはいってしまった。