Japanische Klassiker mit Furigana
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よんじゅうはちにんめ
四十八人目
森田 草平
Lesen Sie 四十八人目 (よんじゅうはちにんめ) von 森田 草平 (もりたそうへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 56.183 Zeichen · 112 Bildschirme
「お前が浪人した上に、二人揃って扶持に離れるようなことがあってはならぬからな――ま、これはここだけの話しじゃけれど」
小平太は黙って相手の顔を見返した。
「俺たちには年を取った母親もある」と、新左衛門は気が指したのか言いなおした。「わしにも大切な阿母さんなら、お前にとっても一人の母親だ。この老母を路頭に迷わせるようなことがあってはならぬからな」
「ごもっともでございます」と、小平太も母親のことを言われた時は一ばん身に染みた。「ただこれまで事をともにしてきた関係上、にわかに同志に背を向けるようなこともいたしかねますが、近々のうちには機を見て身を引くことにして、けっして兄上と番えた言葉は違えませぬから、その段はどうぞ御安心ください」
「それでやっと安心した。なに、お前の立場の苦しいことは、わしも察している。ただくれぐれもその言葉を違えまいぞ」
小平太は唯々として頭を下げた。それから二三話しもしていたが、長居は無用と思ったので、いずれそのうちまた出なおしてくるからと言いおいたまま、そこそこにその家を出てしまった。
街の上へ出た時、彼は自分で自分が分らなくなるほど顛動していた。