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Japanische Klassiker mit Furigana

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よんじゅうはちにんめ

四十八人目

森田 草平

Lesen Sie 四十八人目 (よんじゅうはちにんめ) von 森田 草平 (もりたそうへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 56.183 Zeichen · 112 Bildschirme

Aozora Bunko

「なるほど、お父上の気性ならそうもありましょう。立派な父御を持たれてお羨ましい」

実際、彼は羨ましかった。そういう父親を持っていたら、自分も今になってこんなに心の動くこともあるまい。それにつけても、何と思って兄になぞ大事を打明けたかと、今さらのように自分の不覚を悔まずにはいられなかった。

二人がそうしているところへ、表から足音荒く横川勘平がはいってきた。そして、ぷんぷん腹を立てながら、

「おい、また裏切者が出たぞ!」といきなり喚ばわった。

「裏切者?」と二人はいっせいに相手を見上げた。

「そうだ、裏切者が出た、しかもこの宿から出たのだ!」

小平太はぎくりとして思わず飛び上った。何だか自分が今兄としてきた相談の一伍一什をそのまま勘平に聞いていられたような気がしたのである。

「中村と鈴田の二人が朝から出て行った」と、勘平は委細かまわず続けた。「俺はどうもその出方が怪しいと思ったので、君らが出かけた後で、そっとその行李を調べてみると、いつ持ちだしたものやら、何一つ残っていないではないか。それには惘れたね。が、捨ておかれぬと思ったから、すぐに頭領の許へ駈けつけてみた。