Japanische Klassiker mit Furigana
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よんじゅうはちにんめ
四十八人目
森田 草平
Lesen Sie 四十八人目 (よんじゅうはちにんめ) von 森田 草平 (もりたそうへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 56.183 Zeichen · 112 Bildschirme
しかるに、今宿へ戻って検べてみると、庄左衛門は他人の金品まで持ち逃げしている! これは下司下郎の仕業で、士にあるまじきことだ。こうなると、小平太ももう自分のことのような気はしなかった。いくら勘平が罵倒しても、他人のこととして平気で聞き流すことができた。そのために、彼はかえって救われたような気もした。
明くる朝安兵衛は、とにかくこのことはいちおう頭領にも届けておく必要があるというので、早朝から出かけて行った。その後で小平太は、一人火鉢に向って、ぼんやり考えこんでいた。隣の座敷では、勘平が何やらしきりに書状を認めている。この間にひとつおしおの許へ行ってやろうか、あの女に逢うのももうこれがおしまいだなぞと考えているうちに、隣の間から勘平が片手に書状を持って出てきて、
「ちょっと出かけるから留守を頼むよ」と言った。
実際、中村、鈴田、小山田とだんだん同宿の者が減ってきては、飯焚の男を除けば、もう小平太のほかに留守をするものもなかった。小平太はまた先を越されたなと思いながら、「よろしい!」と言った。そして、「飛脚を頼みに行くのか」と訊いてみた。
「うむ、あんまり臆病者がたくさん出るので、心外でたまらぬから、いちいち筆誅を加えてやった」