Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しこくへんろにっき

四国遍路日記

種田 山頭火

Lesen Sie 四国遍路日記 (しこくへんろにっき) von 種田 山頭火 (たねださんとうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.842 Zeichen · 32 Bildschirme

Aozora Bunko

知らないものを知った。

十一月二十日 晴、好晴、行程六里、久万町、札所下、とみや。

やっと夜が明けはじめた、いちめんの霧である、寒い寒い、手足が冷える(さすがに土佐は温かく伊予は寒いと思う)、瀬の音が高い、霧がうすらぐにつれて前面の山のよさがあらわれる、すぐそばの桜紅葉がほろほろ散りしく、焼香読経、冥想黙祷。

そこへ村の信心老人――この堂の世話人らしい――が詣でで来て、何かと聞かされた、遍路にもいろいろあって、めったにはここに泊められないこと、お賽銭を盗んだり何かして困ること、幸にして私の正しさは認めて貰った。

寒いけれど(川風が吹くので)八時から一時間ばかり行乞(銭二十八銭、米四合、途中も行乞しつつ)、それから久万へ、成川の流れ、山々の雑木紅葉、歩々の美観、路傍の家のおばあさんからふかし薯をたくさん頂戴した、さっそく朝食として半分、またの半分は昼食として、うまかった、うれしかった。

三里ちかく来ると御三戸橋、ここから面河渓へ入る道が分れている、そこの巨大なる夫婦岩は奥地の風景の尋常でなかろうことを思わせるに十分である、私はひたむきに久万へ――松山へといそいだ。