Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
よっかのあやめ
四日のあやめ
山本 周五郎
Lesen Sie 四日のあやめ (よっかのあやめ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.200 Zeichen · 38 Bildschirme
五
うち消そうとしたが、源左衛門の口ぶりはあまりに明確だし、深松がそんなことで嘘を云うとは思えなかった。主税介は狼狽し、珍しく吃りながら低頭した。
「申し訳ありません。これはなにかのゆき違いでございましょう」彼は云った、「唯今のお願いはお忘れ下さるよう、またできることなら御内聞にお頼み申します」
源左衛門はよろしいと頷いた。
その夜、主税介は寝所へ入るまえに、妻を呼んでそのことを訊いた。家士たちのことは頭にうかばず、ふしぎに「妻だ」という感じがした。はたして、千世はそうだと答えた。
「すると深松は知らせに来たのだな」
「はい、おみえになりました」
千世は悪びれなかった。むしろこういう時の来るのを期していたかのように、良人の眼をまともに見あげた。
「どうしてそれを取次がなかった」主税介はけんめいに感情を抑えていた、「云ってごらん、なぜ私に黙っていたのだ」
「申上げてはならないと存じました」
五
主税介は妻の眼をにらんだ。千世は眩しくなって眼を伏せた。
「なぜだ」と主税介が云った。
千世は口ごもった。しかしひるんだのではない、良心に疚しいところはなかった。
「わたくし以前から、徒士組と不和の話は聞いておりました」