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Japanische Klassiker mit Furigana

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よっかのあやめ

四日のあやめ

山本 周五郎

Lesen Sie 四日のあやめ (よっかのあやめ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.200 Zeichen · 38 Bildschirme

Aozora Bunko

と千世は云った、「それで、深松様からお知らせをうかがったとき、これは旦那さまには申上げてはならない、申上げればきっと大洲へいらっしゃる、それでは私闘になるし、私闘は御法度だから、あとでどんなお叱りをうけてもここは黙っていよう、そう思ったのでございます」

主税介は片膝を立てた。千世は打たれるかと思って肩をちぢめた。片方の膝を立てた動作には、いきなり殴りつけそうな勢いがこもっていたのである。――主税介は茶道具ののせてある盆を押しやった。その手はふるえていた。

「わかった」と彼は云った、「もういい」

千世はおずおずと眼をあげた。

「寝ていいよ」と主税介は云った。

「わたくし、悪うございましたでしょうか」と千世は云った、「武士の妻として、そうしなければならないと存じたのですけれど、どうぞ、間違っていましたらどうぞお叱り下さいまし」

「もういい、寝ろ」

主税介はそう云って立ちあがった。

千世が茶道具を持ってさがると、彼は庭へおりていった。彼の全身は怒りの固まりのようであった、妻のしたり顔が彼を毒し、辱しめ、汚涜するように思える。「女め」と主税介は呟いて、唾を吐いた。