Japanische Klassiker mit Furigana
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そうせきしとわたし
回想 子規・漱石
高浜 虚子
Lesen Sie 回想 子規・漱石 (そうせきしとわたし) von 高浜 虚子 (たかはまきょし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 115.187 Zeichen · 231 Bildschirme
居士の煩悶というのは、やはり学校生活を中止して文学に立とうという一つのあせりであった。もっとも居士はその二、三年前咯血をしてから、功を急ぐ念が強くなっていた。かくして居士はその後両三年ならずして退学を決行したのであった。余もそれに遅るる一、二年にしてまた退学を決行した。「石橋」という能がある。親獅子は舞台に出て舞い、子獅子は橋がかりで舞うのであるが、ちょっと余と子規居士との関係はそういったような状態であった。居士はまだ舞ってはいかぬいかぬと言いながら舞台で舞い始めたので、余は堪えずに橋がかりで舞い出したのであった。碧梧桐君もその頃は殆ど余と同身一体のような有様であった。性格の全く異った二人は常に同一行動を取っていた。橋がかりの子獅子は二匹であったのである。
さて余は中学を三月に卒業して九月に京都の第三高等学校に入学することになった。京都遊学が近づいて来るに従ってさすがに嫁入り前の娘のような慌だしい心持がせぬでもなかった。自然その頃は子規居士との手紙の往復よりも、京都の学校に在る先輩との手紙の往復の方が多くなった。いよいよ京都に行ってからも下宿の番地を知らしたきり位であまり居士とは通信もしなかったように思う。