Japanische Klassiker mit Furigana
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そうせきしとわたし
回想 子規・漱石
高浜 虚子
Lesen Sie 回想 子規・漱石 (そうせきしとわたし) von 高浜 虚子 (たかはまきょし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 115.187 Zeichen · 231 Bildschirme
余らは居士の病躯で思いもよらぬ事だと思ったが、しかし余らのいう事はもとより容れなかった。居士は平生、
「お前は人に相談という事をおしんからいかん。自分で思い立つと矢も楯もたまらなく遣っておしまいるものだから後でお困りるのよ。」とよく余に忠告したがしかしそれには余は服さなかった。如何となれば居士もまた同じような人であったからである。ただ晩年になっては些細の私事までも人に相談せねば断行せぬような傾きのあったのは一つは病重く自分の体でありながら思うままにならぬ所もあり、二つには自重して軽挙しなかったところもあろうが、三つにはまたよく前途を明察して後に発する言なればその言うところ必ず行われざるなく、いわば他人を悦服せしむるためにただそれだけのステップを踏んだというのに過ぎなかった。その自我心の強く一旦思い立った事を容易に撤回するような人でなかった事は事実が一々これを証明する。この従軍志望の如きはその著しきものの一つである。晩年に在っても興津移転問題の如きはその最も露骨なるものであって、もし居士の体が今少し自由が利いたなら居士は何人の言をも排して断行したに相違なかった。