Japanische Klassiker mit Furigana
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そうせきしとわたし
回想 子規・漱石
高浜 虚子
Lesen Sie 回想 子規・漱石 (そうせきしとわたし) von 高浜 虚子 (たかはまきょし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 115.187 Zeichen · 231 Bildschirme
居士の盛名が強大であるに連れて我らのような有象無象も共に有名になって来た。それが相当に勉強して有名になるならば不思議はないのであるが、あまり勉強もしないでいて、有名になって、それで澄ましていたものだから、漸くいらいらして来た居士は何かにつけて余らを罵倒し始めた。居士の晩年に於ける言行は何物に対しても痛罵骨を刺すものであったが殊に余らに対しては最も峻烈を極めていた。
居士はある時余にこういう事を言ったことがあった。
「私がこう悪口ばかりを言っていて世人が我慢をしているのは病人だからである。これが病人でなかった日にはとても我慢はしていやすまい。それを思うと病人というものはなかなか得なものである。」と。そう言って居士は苦笑した。
しかしそれは決して病人だからという理由ばかりではなかった。その他居士の人格、事業が世人に認識されて居士のいう事は一つの権威となってしまったからであった。もう居士の文壇に於ける地位は動かそうと思っても動かされぬものになってしまっていた。居士は初めは自分の大を為すために社会に自分の門下生を推挙する必要があった。今は居士の大を為すために、公平に厳密に門下生を品隲する必要があった。