Japanische Klassiker mit Furigana
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そうせきしとわたし
回想 子規・漱石
高浜 虚子
Lesen Sie 回想 子規・漱石 (そうせきしとわたし) von 高浜 虚子 (たかはまきょし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 115.187 Zeichen · 231 Bildschirme
また代ってもらいますから。」と母堂が言われた。母堂は少し前まで臥せっていられたのであった。そこで今まで起きていた妹君も次の間に休まれることになったので、余も座敷の床の中に這入った。
眠ったか眠らぬかと思ううちに、
「清さん清さん。」という声が聞こえた。その声は狼狽した声であった。余が蹶起して病床に行く時に妹君も次の間から出て来られた。
その時母堂が何と言われたかは記憶していない。けれどもこういう意味の事を言われた。居士の枕頭に鷹見氏の夫人と二人で話しながら夜伽をして居られたのだが、あまり静かなので、ふと気がついて覗いて見ると、もう呼吸はなかったというのであった。
妹君は泣きながら「兄さん兄さん」と呼ばれたが返事がなかった。跣足のままで隣家に行かれた。それは電話を借りて医師に急を報じたのであった。
余はとにかく近処にいる碧梧桐、鼠骨二君に知らせようと思って門を出た。
その時であった、さっきよりももっと晴れ渡った明るい旧暦十七夜の月が大空の真中に在った。丁度一時から二時頃の間であった。当時の加賀邸の黒板塀と向いの地面の竹垣との間の狭い通路である鶯横町がその月のために昼のように明るく照らされていた。