Japanische Klassiker mit Furigana
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こっきょう
国境
黒島 伝治
Lesen Sie 国境 (こっきょう) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.336 Zeichen · 21 Bildschirme
田川は、毛布をひっかむって眠ったふりをしていた。そして、おやじが出て行った後で声をあげて愉快げに笑った。
だが、数日の後、おやじは、別の支那人をつれてきた。保証金を取った。そして、倉庫に休んでいる品々を別の橇に積みこませた。
四
黒竜江の結氷が轟音とともに破れ、氷塊は、濁流に押し流されて動きだす春がきた。
河蒸汽ののどかな汽笛が河岸に響きわたった。雪解の水は、岸から溢れそうにもれ上がっている。帆をあげた舟、発動汽船、ボート、櫓で漕ぐ舟、それらのものが春のぽかぽかする陽光をあびて上ったり下ったりした。
黒河からブラゴウエシチェンスクへは、もう、舟に乗らなければ渡ってくることはできない。しかし、警戒兵は、油断がならなかった。税関の船着場以外へ、毎晩、支那人の舟が闇に乗じてしのびよってきた。舟は、暗い。霧がおりた流れを、上流にむかって漕ぎのぼって行く。三四丁のぼると、すきを伺って、相手の頸もとへひらりと飛びこんでくるシャモのように、舳の向きをかえ、矢のように流れ下りながら、こちらへ泳ぎついてきた。そして、河岸へ這い上ると、それぞれの物を衣服の下や、長靴の中にしのばして、村の方へ消えて行った。