Japanische Klassiker mit Furigana
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とち
土地
豊島 与志雄
Lesen Sie 土地 (とち) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.719 Zeichen · 22 Bildschirme
村の者達は幾人か連れ立って、手甲脚絆のいでたちで稲田へ出かけてきた。平助が去年から拓いた稲田にも、そういう人達が野田の旦那に傭われてやって来た。
「この荒地は肥えてると見えるな。稲が青りきってるだ。平助どんの骨折り甲斐だけあらあな。」
「なあに、みんなしてよく肥してくれるからだ。」と平助は答えた。
「いや地体が肥えてなきゃあ、こうした稲の色は出ねえよ。」
「色だけじゃ仕様がねえ。」
「いやそうでねえよ。初作とは思えねえくれえだ。これで二年三年となりゃあ、立派な一等田だ。」
そうかも知れねえ、と平助は思った。仕事に疲れると鍬の柄を杖に佇みながら、喜ばしげな眼付で稲田を見やった。実際その開墾地の稲田は、稲の株の張り方は遅かったけれど、伸びがよくて黒ずんだ勢のいい青さを呈していた。その間を賑かに、草取りの達人の日笠が竝んで進んでいった。その中にはおかねも交っていた。見覚えの彼女の笠が他の人達から後れやしないかと、平助は時々伸び上って眺めた。然しおかねは男にも負けない働き者だった。
男達が一寸煙草を一服する間に、彼女は急いで父の所へやって来た。
「お父つぁん、疲れやしねえか。